カンチェリのリトル・インバーを聴く。
アマオ・オミ−無意味な戦争(混声合唱とサクソフォン四重奏のための。2005年作曲)リトル・インバー(小さなアンサンブル、歌手と児童&男声合唱のための。2003年作曲
今まで聴いて参りました ギア・カンチェリの曲はストイックで実存主義者そしてある意味ではアナキーな感さえしましたが、小曲集や今回のリトル・インバーを聴きますとなんと耽美で美しい曲なのだろうと改めて感激いたしました。
アマオ・オミ−で彼は神を信じ、ハレルヤと祈っているではありませんか。緊縛観はありますが、きわめて穏やかに敬虔な祈りは、実は「カンチェリ」は神の存在を信じたい自分がいることに気づくかのようです。
そしてリトル・インバーは清らかに歌う少年合唱の歌声に無条件降伏。
コルボのレクイエムさえ彷彿と感ずる次第。素朴さは嘆美な歌唱を倍加させ、思わず胸が熱くなる思いです。静かに静かに透明度はどこまでも澄み切り深海から天上が見渡せるほどです。そして最後にここでも「カンチェリ」はハレルヤと神をたたえ曲調は明るくなりむしろ楽しげに未来を予言するかのように終わります。
カンチェリ ブラボー・ブラボー ・・・・・・・