新しい学習指導要領に基づく中学校の教科書が、今年の夏、採択されます。 小学校ではすでに新しい教科書での授業が始まっていますが、「勉強する中身が増えて大変」「授業の時数が増えて子どもたちが疲れ果てている」「『基礎』と『発展』に別れているが、すべての子どもに『発展』の内容を教えるのは不可能。勉強ができる子どもだけがどんどん進んでいく教科書になっている」など、現場の先生からも悲鳴にも似た声が聞こえてきます。
教科書採択の制度は今、現場のすべての先生の意向が反映されにくくなっています。10教科(技術科・家庭科を含む)のすべての教科書を、教育の専門家ではない教育委員がすべて読み込み、判断することは大変な困難を伴うのではないでしょうか。 社会科の歴史・公民では、「つくる会」系列の教科書が2社、検定に合格し、全部で7社のうち2社とその比重を増しています。両社の教科書は文科省の検定審議会からそれぞれ237件、150件の修正意見がつけられるほど、反憲法的で非常識な内容、歴史研究の成果を無視するものでした。これを小手先の修正で検定合格させ、生徒たちの手に渡そうとすることは許せません。
私たちは、何よりも子どもたちが真理・真実を知り、それと向き合ってほしいと願っています。 また、子どものつまずきが少なく使いやすい教科書を子どもの手に届け、すべての子どもが「わかった!」「できた!」という喜びを持つと同時に、自信をつけてほしいと願っています。
そのために、子どもの傍で毎日教科書を使っている教職員の意見を尊重し、その意見を反映させること、多くの地域住民が教科書展示を訪れ、意見を出せるよう展示期間や展示場の数を充実させること、そして、民主的な採択を行うために、教科書採択をおこなう教育委員会を傍聴することを大切に考えています。
教科書の問題は教職員の問題でもありますが、それを使う子どもたち、保護者、そして国民みんなの問題でもあります。西多摩のすべての学校の教職員が、教科書採択に関心を寄せ、地域のみなさんとも力をあわせていきたいです。
教科書問題学習会
6月7日(火)19:30〜20:10羽村ウイング ☆元中学校の社会科教員で、あきる野教科書ネットの不破さんからお話を伺います!