母の49日の法要が済み、母は『麗寿院賢鏡妙照大姉様』におなりになられた。 お寺のご住職のお話ではお呼びするお名前は、『麗寿院様』で良いらしい。102歳の母のお名前にしては妙に色っぽい。
白木のお位牌はお寺にお納めし、兄のご用意下さった位牌が父の位牌のそばに置かれた。
私の家には、母の小さな写真が残った。明日からお位牌のない前でお線香を焚くことも何となく間が抜けた感がする。 そこで白磁の香炉とお香を買い、お写真の前で母を偲ぶこととした。 大正モダニズムの母にとっては、お線香より茶道の香が似合うのではと勝手に解釈する。
白磁の香炉は母の好みそうな良い物が見つからなかったが、取り急ぎ1つ購入。 香は壮大な歴史とロマンを秘めたシルクロードの香りの道「インセンスロード南山」を買う。遥か遠く絹の道に想いを馳せ、その代表的な香りであるオリバナム(乳香)を取り入れた物とした。(茶道の香ではないのですが)
実は、この「インセンスロード南山」は以前から炊いていた香である。乳香であるので気持ちが穏やかになることと、なんと言っても母のにおいがする。
妻が買い物にでも出かけたとき、一人で香を焚き、童子になって思いっきり母に、いや、『麗寿院様』に甘えるつもりである。 |