孤老の仕事部屋

家族と離れ、東京の森林と都会の交差点、福が生まれるまちの仕事部屋からの発信です。コミュニケーションのためのコピーを思いつくまま、あるいは、いままでの仕事をご紹介しましょう。
 
2008/08/18 14:04:24|福生な人たち
03 そよかぜの会
●レポート03

爽やかなやさしいそよ風を吹かせて
そよかぜの会

 福祉まつりや福祉バザーを、行き届いた心配りで運営を支え、盛会に導いたパワーのひとつが、そよかぜの会(児島夏子代表)です。

 JAの女性部として、地域での高齢者を対象としたミニデイサービスなど、奉仕活動の延長として平成9年に、ボランティアグループ「そよかぜの会」を発足。今や、いろいろなイベントにはなくてはならない存在です。

 児島さんは「会員は、お孫さんのいる世代で、時間的にもゆとりが出てきた人たちですね。何か世間のお役に立つお手伝いをしたいと考えていても、何をしたらよいのか分からない。そんな人に、今度、福祉バザーがあるので、そのお手伝いをしてくれないかって。搬入のときの商品整理、値札付け、当日はスタッフのおにぎりをつくったりすることよ、と。それくらいならと、引き受けてくれます。終った後、大勢の人に喜んでもらえたことに感動します。そして、みんなが一緒に力を合わせて成し遂げた充実感で、多少興奮気味に、私にも奉仕活動ができるのね、って自分の力に気づいてくれます」

 そよかぜの会では、小学校での車椅子体験学習にも参加しています。車椅子を安全に扱うための知識や技術を身につけるのが、ボランティアとして次のステップ。
会員はその講習会に、積極的に参加しています。車椅子を安全に正しく操作すること、孫の世代と直に接して、教える喜びの期待が生まれます。そこには、おばあちゃんの温かい思いと願いがあります。

 今、大きな社会問題化している、いじめなどの原因のひとつに、自分たちの子育ての仕方もあったのではないか。その反省と、いろいろな人生経験から、孫たちの教育環境や地域社会の中で、活かせる知恵があればいい。それも、そよかぜの会ならではの活動の方向でないか。児島さんと同席した、会員でJA女性部部長の岡本幸子さんも一緒に話します。会独自の活動さがしです。
そよかぜの会の中心メンバーは、熟年世代の知恵働き盛り。私たちの福生市には、 〜 代の女性が、約1万名住んでいます。
そのうち 人にひとりでも、会員として、あるいは、その時々の呼びかけに応えてくれたら、さらに住みやすくなると、児島さんたちは、まず、お隣さんに呼びかけ、まちにそよかぜを吹かせ続けています。ぜひご参加ください。

07年(平成19年)01月20日発行号








2008/08/18 14:01:13|福生な人たち
02 あひるの会 & 福生いとでんわ
●レポート02

思いやりのこころをもっとひろげよう!
「福祉まつり2006」から

 この10月1日「福祉まつり2006」が、実行委員会の主催により開催されました。午後、小雨がパラつきましたが、会場の福祉センターには大勢の市民が集い、体験コーナーや販売コーナーなどで、福生市の福祉の実際を知り、福生2中の吹奏楽など、多彩なアトラクションを楽しみ、福祉センターがどこにあるのか、何をしている.のかを知ってもらうことにも役立ちました。終了後、当日出店いただいた団体等から20万円余の寄付が寄せられました。

 この福祉まつりには、初めてのグループを含め、55もの団体、620名が参加。子どもたちと多くの人たちが、福祉に取り組む仲間として協力しました。このために2カ月も前から準備を進めて、当日をむかえました。

 他人のために自分の時間を割いてできること、心の豊かさや優しさ、自然に対しての思いやりを共感し理解し合いました。外へ出るのが難しい障害者には、貴重な社会体験になったとのことです。

 毎年、工夫を重ねてきた福祉まつりですが、反省会では、再度、福祉まつりとは何かを考える時期がきたとの声もありました。この福祉まつりの後、広報紙上での福祉活動紹介として、今号で、あひるの会(橋本美津江代表)と、福生いとでんわ(脇本晃会長)に、それぞれの福祉活動の内容を伺いました。

あひるの会の福祉ボランティア

 「あひるの会」は、発足して18年、橋本さんは「最初の頃、施設で掃除からベッドメーキングまで、お手伝いをしました。いまは制度上で、できませんが、《できるときに、できることを、できるひとが、できるところで、できるだけ》をモットーに、押し付けにならないようにしながら、福祉ボランティアを続けています。
私たちは寮母さんのお手伝いをするのではなく、利用者のために行くのですから、自分たちのできることをするんだと。60代、十数名の会員で活動しています」福祉施設での介助奉仕の他、小学校の総合学習での車椅子体験学習なども支援しています。

 「福祉とは、思いやり。思いやりとは、やさしさです。そして、やさしさとは、思いやりと実行。私たちは、頼まれたからやるのではなく、障がい者が望んでいることを知り、やらせていただくという心で、責任をもって奉仕活動をしています」

 「見ただけではわかりません。目の不自由な人が白杖に頼って歩く時のこわさ。誘導する時の手伝いはとてもむずかしいものです。いきなり手を持ってあげたら、びっくりします。これは体験しなければ分かりません。受ける立場で、どうしたらよいのかを考えて行動する。『我が身をつねって、人の痛さをしれ』死語にしてはいけない格言です。これを絶対忘れないでほしい。だから、体験してほしい」と橋本さんたちは訴えます。

 福祉ボランティアは「善意による活動」で「金銭の報酬」をいただくのではない。手弁当が当たり前で、喜んでくれることを励みに活動しているあひるの会です。

癒しの音訳、福生いとでんわ

 福生いとでんわは、音訳活動を中心に、視覚障害者のノーマライゼーションを目指しています。ノーマライゼーションとは、高齢者や障害者などを施設に隔離せず、健常者と一緒に助け合いながら暮らしていくのが正常な社会のあり方である、とする考え方です。

 会員が新刊小説などを読み上げ、収録した音訳テープを、希望する登録会員に届け、また、市や国の図書館に納めています。発足して 年、発刊した音訳本は、600にもなりました。特に、読(聴)者が全国に及んでいるという、会独自の 分の「週刊スクリプター」という聞く週刊誌は、創刊 年、もうじき400号になります。会員が新聞や週刊誌の中から記事を選んで、メッセージと共に吹き込み、脇本さんがナレーションを入れて編集。日頃から、親しくしている会員の温かい肉声が障がい者を和ませています。

 脇本さんは「音訳には、技術が要ります。そのために、毎年4月から講習会を週一回、全部で 回行い、その後も引き続き指導しています。ただ、私たちは、カルチャーセンターではありません。終了後に、必ずボランティア活動で障がい者福祉に貢献することが受講条件です」、

障がい者の生活を体験して支援

 音訳は手段で、目的は視覚障がい者の支援だとする福生いとでんわです。読書環境をはじめ、就業・娯楽・スポーツ・健康など、全ての生活一環境を改善すること。障がい者や高齢者を災害から守るためのシステムづくり、放置置自転車から点字ブロックを守る支援活動なども、積極的に進めています。

 さらに、福祉施設を訪問しての朗読会やマッサージ・障がい者との運動会・ハイキング・一泊旅行会など、その活動は多彩です。コミュニケーションをはかるというだけでなく、支援し介助するためには、障がい者の生活の全てを知り、理解するためだと脇本さん。

 「障がい者の社会参加を支援するには、いつも身近に接して、すぐ行動すること。本を読むだけでなく、生活全般にわたって、いろいろな支援介助活動を始めました」いま、会員は 数名、障がい者の会員にもボランティアの奉仕活動をやってもらっています。その一つがマッサージ。視覚障がい者は、目が見えないだけで、他のことは全部できるというのが会の考え方です。

 「これからますます進む高齢者社会では、視覚障がい者が増えるでしょう。私たちは、こんな人たちも対象にしていきます。会の音訳は、身近な人たちに読んでもらっている。知っている人の声で聞ける。これが深い癒しになると思います」と、脇本さんは、福生いとでんわの明日を語ってくれました。

06年(平成18年)11月20日発行号








2008/08/18 13:56:21|福生な人たち
01 配食ボランティア
●レポート01

安らぎを添えてお弁当を配っています

配食ボラさんの「喜びと悲しみ」

 心をこめて届けるだけでなく、味でも喜んでもらっているだろうか。社協の受託事業「高齢者配食サービス事業」に協力している運転ボランティアと配食ボランティアは、福生市内全域で、総勢110名以上にもおよんでいます。この人たちのお弁当の試食会が、3月23日(木)、材料実費参加者負担の会費で行われました。

 この日のメニューは、3月23日の実際のお弁当と同じもの。各自、じつくり味わって、いろいろな感想を持って散会した後、有志の人たちに集まってもらい、配食ボランティアでの体験談を語ってもらいました。

●Kさん 「老夫婦で住んでおられました。まわりの人との付き合いを頑に拒んでいて、詰も聞いてくれないという。確かに、取り付く島もない。それでも、何回も通い、関心のあることは何かと、かっての仕事について話しを向けてみました。そうしたら、昔の仕事のスクラップを出してきて、これは私がやった仕事だと。読ませてもらいました。それから、打ち解けるようになりました」

●Yさん 「いろんな方との出会いがあって、いい思いをいっぱいいただいています。なかには一歩も歩けず、外も見られない方がいます。こんな方には、一生懸命、外のことを話すようにしています。今は水仙が咲いたよ、桜ですよと。とても喜んでくれ、これが私にはうれしい。こういうことが大事なんだなあと。私は、今のところ足が動けるし、お役にたてればと思っています」

●Hさん 「配食に通っていた人が、病院に入ってしまいました。配食には行かなくなりましたが、一ケ月に一回くらい病院に行ってお話しをしています。年輩の方で、いろいろな話しをしていると、私自身も励みになります。その方も、楽しみにして、待っていてくれています。これも出合いの一つですね。配食ボランティアという機会がないと出会えなかった方で、今でも続いています」

●Aさん 「もう亡くなった方なんですが、返していただく器と一緒に、いつもお礼の手紙が入っているんです。手が震えるんでしょうね。きれいな字なんですが、ちょっと直線が揺れて、曲ったりしていました。でも、いつもいつも書いてくださる。この手紙で、とってもいいお言葉をいただいて、大きな励みになっていました。この心優しい方との出合いが忘れられません」

●Sさん 「私は話が好きなものですから、まず、笑顔を持って行きましょうと。『元気だったあ』と話しかけることから始まります。行くたびに、昔してきた自慢話をする方がいます。なかなか、返りの器を持ってこない。次に行っても、また、楽しい話しがはずみます。今までに話す機会がなかったのでしょうね。今までに知らなかった方と、お話しをすることも、楽しいものです」

●Iさん 「ついて行けないようなハイレベルのお話をしてくださる奥さまにいろいろ教えていただきました。足が不自由な方ですが、明るく爽やかなお洋服を着ていらして、女性はこうでなければと勉強になる立ち居振るまいでした。お花がお好きということで、うちの庭で咲いた季節の小花一輪に、つたない俳句をつけてお持ちする。すると、必ずお礼のお手紙をくださる。これも宝物です」

●Aさん 「はじめの頃、人を寄せつけないように構える感じの 歳の、元気な一人暮しの方です。ある時、前のお宅での話がはずんで、ちょっと遅くなってしまった。 時前でしたが、『遅い』と言われてしまいました。このことがきっかけになって、次からは『昼か』『はい、お昼です』と、親しく声を掛け合うようになりました。この頃は、伺うのが楽しみになっています」

●Tさん 「始めての寝たきりのお婆さまのところに、できるだけ明るく、元気な声で『こんにちは』と。ご様子を伺い、お話して、帰りぎわに『あなたっていい方ね』といわれ、すっかりうれしくなったんです。家の都合で、2回ばかり他の方に代わって届けてもらったとき、何かあったのではと心配してくれました。ちょっとしたお手伝いですが、待たれ喜ばれるのはうれしいものです」

●Sさん 「悲しいこともあります。ひとり暮らしの男の方で、突然亡くなられた。足が不自由で上手に歩けなかったのですが、いつもお元気で、明るく、お部屋はきちんときれいに整理され、人が来るという日は、アイロンをかけたシャツを着ておられました。配食やっていると、うれしいことがたくさんありますが、こんな悲しいこともあるんだなと、生きる生きがいをいただいている思いがします」

06年(平成18年)05月20日発行号








2008/08/18 13:48:35|福生な人たち
00 はじめに
東京・福生市 福祉ボランティア活動


はじめに

 前のまちに住んでいた頃から、知恵の納税、知恵のボランティアということを考えていました。いま、いろいろなかたちでの市民ボランティア活動が盛んですが、その中心は、体力を使う活動や決められた場所での時間の消費を伴う奉仕活動です。私は老齢年金をいただく高齢者として、また、持病があることからも体力系のボランティアの《しごと》は向きません。そんなことから知恵をつかう《しごと》なら、ボランティアとしてお手伝いできるのではないかと、四十年間、いまも現職の仕事にしているマーケティングのライターやプランナーとしての経験や知恵をボランティアの《しごと》に活かせるのではないかと考えました。

 前に住んでいたまちでは、市の基本総合計画立案の市民審議委員やまちづくり市民活動などで、拙いながらいろいろな《しごと》をさせてもらってきました。そして、このまちに移って持病の治療や手術入院のために、行政や医療関係者、そして、何よりも国民健康保険のお世話になりました。それがうれしくて金銭による納税など経済的には応えられませんが、知恵でなら、少しなりにも応えられると考えました。ちょうど募集していた福生市社会福祉協議会(社協)と市の生活環境部共同推進課の市民広報委員に応じ、受け入れてもらいました。私になら、応えられる経験と知恵を活用できそうです。もちろん無償のボランティア活動です。

 福生市は、福祉ボランティア活動の先進都市でした。その世界の事情に疎く、情報の少ない私ですが、市民、特に中高年女性層の活躍には目を見張るものがありました。子育てを終え、経済的には働かなくてもよい、余裕ある家庭の主婦なのでしょう。みごとなネットワークのもとに、趣味を楽しむように、生き生きと《しごと》をこなしているのです。また、男女協働参画の推進という方面でも、多彩な市民活動と行政のバックアップが行われていました。ただ、福祉ボランティアの活動では、後継者が育っていない、自分たちの《しごと》の自己評価と発表がいまひとつ足りないという状況です。自己完結型の活動のよう見受けられます。

 「福生」という、読みにくい、希有な名称の都市は、まさしく「福」を「生む」都市ではないか。郷の先人がつくってくれた「無形の都市資産」を、意識することなく活かしているように思えます。そんな「福を生む」人たちの活動を、社協の広報で「広がれ!ボランティア」として紹介しています。紹介しながら、活動を受け継ぐ次世代の人たちに、参加を呼び掛けています。そんな思いがどのくらい伝わっているのかいまのところ不明です。残念なのは、この広報活動の成果を検証していないこと。民間企業なら「おおらか」で済ませられないお役所仕事です。すこしでも目的をかなえたいと、ここに「福生な人たち」としてお届けします。

  社会福祉協議会広報より








2008/08/18 9:01:48|クラさんの戯れ言集
エコの民家 家づくり編
ハイ!なクラさん 戯れ言集03

★はじめに

「ハイ!なクラさん 戯れ言集」のPART3です。

ここでは「エコの民家(エコノミー家)家づくり編」として、家づくりについての基本について考えてみました。エコの民家づくりについての、40年近く、住宅産業のいろいろなマーケテイングに携わり、メーカーエゴを離れた私が到達した考え方です。
家とは何かを確認し、ほんものの家づくりにお役立てください。

★コンテンツ

その1.企画

01-01
家は買うものじゃなく
専門家達と一緒に
造るものです
あなたはあなたの暮らしの
専門家ですよ
押さえるところ押え
任せるところ任せて

01-02
ブランドイメージ
いま風のよさげな意匠
豪華カタログ
巧みなセールストーク
そこで決めていいんですか
必死に売る相手ではなく
親身で相談できる相手
探しませんか

01-03
売ることを
競い合ってるんだよ
 メーカーも
 営業マンも
住宅展示場には
達成必至のノルマが
ムンムンしている

01-04
在来軸組2×4パネル
RC軽量鉄骨プレハブ
 どんな工法で建てても
 三、四十年は持ちますよ
それ以上持たせる工法
増改築に即応する工法
最初に考える基本です

01-05
最初に大きく払う
建築費じゃなく
衣食費と同じ
暮らし向きにあわせて
毎月遣う住費だよ
無理なく始めようよ

01-06
早くお金を貰いたいから
建てっきりにしたいから
建築費は大きいほどいい
住まいの付き合いは
人と人との付き合いです
生涯ものです
家は機械じゃないよ

01-07
住設費も
建築費のうちだよ
 いま要るものと
 後で要るものと
折り合いつけて
 ゆっくりね

01-08
建築知識の専門家と
家づくりの専門家は
 知恵が違うんだな
暮らし方を熟知して
仁のある建築家を
 選ぶことです

01-09
家は大が作った部品を
 小が組み上げる
大が組み上げる
 自動車とは逆です
資金力を嵩にきた
大の影響力って
 大きいんだなあ

01-10
住宅を工場で作るって
 規格部品と
 量産技術で作ること
家ではなく製品だよ
生産効率が優先
 暮らしやすさは
 二の次になる

01-11
住み終わったら
超祖大ゴミにするのかい
省エネ住宅ですって
 建てるんだよね
 長もちして
 ゴミにならない
家づくりしなきゃ

01-12
省エネ住宅って
自宅で数カ月間
電気代を減らすことかい
 その建材作るのに
 資源を多く使ったよ
 我慢との折り合い
家造りの工夫したかい

その2.木材

02-01
木が
身近にあると落ち着く
室内の湿度を整え
炎は安らぎになる
日本は森林の国なんだ
上手に使う技と知恵
絶やしちゃいけない
木を使えば守れるよ

02-02
木は家になっても
山で生きてきた以上に
 長もちするよ
伐ったときの
 樹齢以下で使ったら
地球はすぐに丸坊主

02-03
国産材外材集成材
 樹種もいろいろ
それぞれに個性があり
長所短所があります
 適材適所で使うこと
木を使えばいいって
 ものじゃありません

02-04
木は生きていて
一本一本に癖があって
 暴れることもあります
 よく見て木取りして
 技と知恵と経験で
 刻んで丁寧に組む
家になっても生きてるよ

02-05
大事な資源を使うんだ
次に住む人のために
 長もちさせなきゃ
長もちする家は
 地球のためです
ホントの省エネです

02-06
ありがとうって
伐ったら植える
 手入れをする
単純だけど基本だよ
山はまた新しい資源を
 育ててくれる

02-07
木はね
道具や建物の材料で
 エネルギーであり
 CO2を体内に溜込み
 酸素をつくってくれる
しかも伐っても植えれば
枯渇しない循環資源
使わない手はないよ

02-08
木は燃えやすい
腐りやすい強さに劣る
最近の発見じゃありません
分かってて日本人は
 何百年も前から
上手に使い続けています

02-09
樹木 無垢材 塗装材
銘木 合板 集成材 擬木
構造材 仕上材 建具 家具
道具 食器 遊具 燃料
 身の回りにいる木たち
 聴く見る触れる嗅ぐ
先祖伝来の安らぐ相棒

02-10
古民家の柱や梁
強さはそのまんま以上
 捨てずに使おうよ
見ているだけでも
 安心が湧いてくる
元気の源です

その3.設計

03-01
家づくりには
聞きかじりの知識は
 かえって邪魔です
いい相談相手見つけて
じっくり練り上げること
 一、二年掛けても
何十分の一の時間だよ

03-02
次はうまく設計するってか
多くの建主にとってね
次なんてないんだよ
百軒の内の一軒だと
 思っている設計者が
 多いんだなあ

03-03
間取りを伝え
 イメージを伝え
 省エネ方式を伝え
 建築費を伝えて
それからそれからそれから
肝心なのはね
どう生きたいのかです

03-04
暮らしに合わせて
設計するっていうけど
本当は
ひとはどんな家にも
 なじんじゃうんだなあ
だからこそいい設計が
 必要なんだよ

03-05
生活動線てね
時代が変われば変わるよ
 い ま電話はポケットに
 テレビは個室に
 巣立ちの遅い子もいて
想像できない未来生活
 間取りが考えられますか

03-06
立って半畳 寝て一畳
 ひとの居場所です
ただ ひとは
 動いて生活するので
 動きに合わせる
  それが間取り

03-07
家の設計ってさ
住設や建材メーカーの
片棒担ぎじゃないんだ
担ぐんだったらね
 それなりの駄賃を
 もらいなさいよ

03-08
建材はあれ
住設はこれって
 メーカーのペースに
 のせられちゃいけないよ
大事なのはね
 欲しいかよりも
 要るかです

03-09
高価な機器費が増える
メーカーの狙い通りだよ
木材費の比率が減って
 家は骨細になっていく
頑健な百年木造なんて
 もういらないのかい

03-10
工学だけで
家造りするとね
効率一辺倒になっちゃう
 遊びがあって
 間があって
 思いがあって
魂の棲家なんだから

その4.施工

04-01
家をどんな思いで
造ってくれるかだね
 金儲けのビジネスか
 家造りが好きだからか
何よりもまず
 住む人たちと
身内付き合いできること

04-02
木を縦横に組んだ骨格
金具を一切使わないでね
 がっちりと
 一体化しちゃう
長い長い歳月を支えた
伝統の技と知恵
 その家にも使えるよ

04-03
だからの家づくり
 慈しみ育てたんだから
 選んで挽いたんだから
 丁寧に組んだんだから
 人を活かす設計だから
このベクトルに
 あの人のためだからを
 加えたんだから

04-04
木は伐った後も
 生きてるんだ
殺して使うなら
量産メーカーは上手いよ
 ただこの国には
木を生かして活かす
 技と知恵があるんだ

04-05
どんな専門家と
 組むんだい
育林製材設計大工
 技と知恵と仁があって
 各々を知悉していて
顔見知りだと安心だね

04-06
先生と呼ばせない
設計者と仕事するんだね
棟梁って呼ばせない
 大工と仕事するんだね
 誰も偉くない
誰に臆することもない
対等の協働者なんだよ

04-07
継手仕口をたくさん
知っていて
 的確に使える
 大工と組みたいね
手間はかかりますよ
いい仕事してもらうなら
 惜しまない要点

04-08
十分にかけたい費用
家の寿命を決める
 大工手間
後でかけてもいい費用
 消費財の設備機器
最初の決断と
 少しの辛抱

04-09
かつて
地縁で繋がった
 大工との交わり
これから
環の繋がり
 森林と木と家と
 新しい親戚たち

04-10
地球を元気にして
山を元気にして
造り手を元気にして
住む人を元気にする
歓びの輪をまわす
地産の木を使った
森林に還す家造り