●レポート08
「ボランティアの心」で福祉や青少年の健全育成に尽力
福生明るい社会づくり推進会〈福生明社〉
遠くに富士山を望み、近くに多摩川と福生の街なみを見守る福生公園(牛浜16-3・市民会館隣)の高台に、福生忠霊塔が建っています。前の大戦から郷土福生に帰ることができなかった三百有余の魂を鎮め祀るこの塔は、世界恒久平和と人びとの幸福を祈念する福生市民の誓いの施設です。
ある日、この場所で少年たちのいじめの現場を目撃したという、福生明るい社会づくり推進会(略称・福生明社、会員106名)の会長・柴藤薔恵子さん。警視庁委嘱少年補導員でもある柴藤さんは、単独での補導は止められていることから、暫くして、心を残しながらもその場を離れました。
翌朝早くその場に出向いてみると、辺り一面に空き缶、血の付いたトイレットペーパーなどのゴミが散乱している。予想はしていたものの、心を洗い潔め、安寧を誓う場の荒廃は、少年たちだけではなく、多くの市民の心を荒ませるものではないか。
心痛む事件が多いこんな時代にこそ、信頼しあい、明るい社会をつくる心の拠りどころとしたい。再び、この地を心落ち着く、清い場所にしたい。そんな思いから、福生明社の忠霊塔周辺の清掃奉仕活動が始まりました。月1回、第2日曜日早朝7時からの清掃奉仕が続いています。
昭和29年に建立、終戦から60余年、8月には慰霊供養が行われるこの忠霊塔は、痛みが目立ち、汚れも多くなっています。清掃だけではおぼつかないことから、専門業者に石磨きを含めた補修費用の見積りをしてもらったところ、30万円ほど掛かると。、
なくてはならない存在の縁の下の力持ち
「良いことは真心こめてこつこつと」「させていただく」のが、会発足理念の二本柱とか。「奉仕する」のではなく「奉仕させていただく」福生明社の基本的な姿勢です。事務局長の河野一博さんは「私たちの会は、明るい社会をつくるために、心ある人たちの善意を集め、力を寄せあって、福祉奉仕活動や青少年の健全育成を支援させていただき、皆さんと一緒に実践することを大事にしています」
そのために、福祉まつりの時の自転車置き場の整理など、行政や社協のいろいろな行事の時に、縁の下の力持ち的な仕事を喜んで引き受けていると。
福生明社の奉仕活動は、多彩です。毎月の忠霊塔周辺清掃や老人ホーム奉仕の他に、身障者作業所バザー協力・老人ホーム納涼祭協力・福生七夕まつり竹飾り参加と会場清掃・忠霊塔慰霊供養・福祉まつり協力・高齢者スポーツ大会協力・福生学園祭協力・老人ホーム文化祭協力・福祉バザー協力・歳末助け合い街頭募金などなど、福生市や社協の主な行事には、なくてはならない存在です。
会員は女性がやや多く、50代〜60代中心です。河野さんは「思いを同じにする方なら、どなたでも入会できますし、ご自分にあった活動だけに参加していただけます。連絡費などに使う年会費千円を納めていただくだけで、他に特別な規制はありません」と話されます。NPO明るい社会づくり運動(石原慎太郎会長)や全国各地で「よそをかき分けてまで、目立つことを好まない」人たちが多いという、あまり目立たない会ですが、確実に明るい社会をつくっています。
07年(平成19年)11月20日発行号
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