〈承前〉
やがて雪と共にみちのくには早い冬が訪れた。北国の寒い風の便りに、あこや姫は出辺の進之丞が仏門に入ったことを知った。
雪の日が続いた。それでも左衛門太郎は夜になると深く積もった雪の中をことなげに歩いてあこや姫のもとに通っていた。そしていつか二人は何者にも断ち難い契なに結ばれていた。相手を慕う思いは日増に募るばかりであった。 だが、あこや姫は時折左衛門の顔の中に、姫との楽しかるぺき語らいの中でもぬぐいきれない寂しい影があるのを気づくともなく気づいていた。人に定められてしまった連命に全身で逆らおうと懸命に戦い抜き、それでも敗れざるを得ぬような左衛門太郎のその影が何を因とするのかを知らぬあこや姫はそのために一人心を痛めるのだった。
あこや姫の父母はもうかなり前から姫のもとに過う笛の若者のことを知っていた。だが単に楽しみを同じにする者同志と深く考えようとはしなかった。また幸せそうなあこや姫をそっとしておきたいという親心があったのかも知れない。
やがて北国の長い冬が終った。草木は急に目が覚めた様に活動し始めた。あこや姫の住む山里にも春が訪れた。軽く宙に舞う様な春の雰囲気の中で、あこや姫は名取の左衛門太郎に対する激しいまでの愛のため、日夜、悶えを感じていた。 その夜、あこや姫は左衛門太郎に寄りそいながら、その思いを恥し気に口にした。 「左衡門太郎様、いつまであこや姫はこのままでいなけれはならないのでしょう。もうこのままでは死んでしまいそうでごさいます。せめて、せめて一日なりと姫はあなた様のお傍にいとうございます」 「……」 「左衛門太郎様、何故に黙っておられます。どうして姫をお傍において下さいませぬ、姫はいつでもあなた様の胸に抱かれていとうございます」 「あこや姫よ、いうな。わしとてそなたと同じ思いなのだ。だが、出来ないのだ。それがどうしてもわしらに出来ぬ運命なのじゃ」 「何故でございます。姫は何も恐れはいたしませぬ。ただ姫が望むこと、それはあなた様と一身になりたいだけなのです」
あこや姫はむしゃぶりつく様に左衛門太郎の胸に飛び込んだ。左衛門太郎はそんなあこや姫を抱き起すと、憂いに沈んだ美しい顔を優しく見つめる。左衛門太郎の胸の中であこや姫は薄く目をとじ、頭を左右に振った。左衛門太郎は、急にそんな姫がいとおしくなり、姫を引き寄せると、その背にまわした腕に力を入れた。
長い時間が二人の間を激しく、そして静かに流れた。左衡門太郎は、そのあこや姫の黒く澄んだ瞳の中に光るものを見い出すと、優しく声をかけた。 「どうしたのだ、あこや姫よ……」 「……」 「おかしな姫じゃ、一体どうしたのだ」 「左衛門太郎様、姫は悲しゅうございます」 「何故なのだ」 「これ程までに愛し合った後にも、なおもあこや姫はあこや姫であり、あなた様はやはりあなた様でございます。どうしてニ人は一人になれないのでしょう。それにはこれ以上の努力が必要なのでしょうか。姫にはそれがロ惜しいのでこざいます」
黙ったまま左衛門太郎は再びあこや姫を引き寄せると、しっかりその胸に抱いた。そして大さく見開いたその目の中にも、やはりあこや姫と同じ様な悲しみの色が見られた。
愛とはニ人の男女が精神的にも、肉体釣にも一つになろうとする現れであろう。しかしいくら、どんなに愛し合ったとしても、自分はやはり自分であり、相手もやはり相手であり、完全な一箇のものではないという必然的なもどかしさから逃れ得ないのは、どうしようもない人間の悲しい運命なのであろうか。 二人が人間であるということは、その運命を甘受しなければならないということなのだろうか。そして、その運命の中で愛さねばならない者同志に与えられた道は、更に、もっと近くに歩み寄ることなのだろうか。
※ ※ ※ ※ ※ ※ みちのくに季節はずれの激しい嵐がやってきたのは、その日から五日後のことだった。吹き叫ぶ風 と、地をたたきつける豪雨、無気味に天をぬう稲妻、あたりの新緑の木々は裂け、倒れ、河川は氾濫し、あまたの民家がつぶれ、多くの人命があっけなく奪われた。ようやく七日日に嵐は過ぎ去ったが、あたりは見る影もない程に荒れ果てていた。
嵐のさ中はさすがに左衛門太郎は、あこや姫のもとに姿を見せなかったが、姫は自然の暴威に脅迫されながらも、比較的平安な気持を持ち続けられたのは、左衛門太郎に対するひたむきな愛と強い信頼のおかげであったかもしれない。 あこや姫は嵐のすぎ去った後の数日間、母と共に荒れに荒らされた民家に、不安そうに暮らす村人達を慰め歩いていた。その身体は夜になると激しいまでの眠気に誘われたが、強いて琴の前に座った。そうすることにより、あこや姫は静かな落ち着きを感じるのだった。
その夜も、琴の前に座ったあこや姫は静かに奏で始めた。普段よりも一層美しい琴の音は倒れた木々の間をぬい、泥まみれになって地に伏している草の上をはいながらも遠くに流れていくのだった。それは自然に逆らいきれない人間の哀れな嗚咽の様でもあり、またあきらめ切った人への慰めと希望を与えるものの様でもあった。 そしてしばらく後、それがごく当然の様にあこや姫は左衛門太郎の笛の音を耳にした。左衛門太郎の笛の音もやはり、あこや姫と同じ様な響きを有していた。この美しくとけ合って流れる二つの音に、二人は願いと夢とを託すと、いつまでも音を絶とうとはしなかった。
やがて左衛門太郎は部屋のあがりがまちに腰を下すと、あこや姫もそこに寄りそって座った。それは二人にとって既に習慣づけられている自然な姿勢でもあった。あこや姫は左衛門太郎の息づかいを身近に感じながら、何もかも忘れた様にぼんやりしていた。 そんな時、突然左衛門太郎は口を開いた。その顔は何故か暗過ざる程暗かつた。 「あこや姫よ、わしらのこの幸せはいつまで続くのだろうのう。少しでも長くと願って止まないのだ が……。だが、わし等はいつかは別れなければならないのじゃ、いくらかたく結ばれたとていつかは……」
そんなことを突然言い出す左衛門太郎の顔をあこや姫はあっけにとられながらじっと見つめた。 「いつかは別れなければならない。それは愛し合う者のさけられない運命なのだ。それなら、今別れた と て同じこと、のうそうではないか 。あこや姫よ、実は今日、わしは理由あってそなたと別れなけれはならないのじゃ」
驚いたあこや姫は、叫ぷ様に言った。 「いやでございます。姫はどんなことが起ろうとあなた様のお傍から決して離れませぬ。一体、いかがなされたというのでしょう」 「……」 「それはいくら愛し合うているニ人でも、別々の人間である限り、いつかは別れなければならないでしょう。でもだからといって今別れても同じことだとは言えますまい。その様なことは、人はいつかは死ぬのだと言って自刃する事と同じではありますまいか。生きてさえいたらどんなことでも出来ましょう。生きているという現在の事実に意味があるのであり、それを否定することか正しい生き方ではない様に、人を慕い合うとて同じこと、今愛しみ、慕い合うていろことに意義があるのであり、いつかは別れなければならないからといって、今別れるなどあまりにも愚かな、あまりにも悲しむぺき事と申せましよう」 「あこや姫よ、その通りかも知れぬ。だが別れが遅くなればなる程、それがつらくなる事であろう」 「それは確かにつらさを増すことでしょう。しかし、別れるその一瞬前までに一層楽しさも幸せも増すはずでございます。人の心はこれから先がどうなろうとも分らぬもの。ですが先は先のこと、そうではございませぬか。とにかく姫は今幸せでございます」 「……」
「左衛門太郎様、今宵はいかがなされたのですか、普段には聞かれぬお言葉、姫もついはしたなく激してしまいましたが……。本当にどうなされたのです。姫は悲しゅうごさいます」 「あこや姫よ、許せ。分ったのだ。わしには今夜分ったのだ」 「えっ、何を、何をでございますか」 「姫よ、耳を澄ませるがよい、ほらあの人の声だ、祈りを上げる声が聞えぬか」 「どこに……。一向に聞こえませぬが……」 「そうだった。あこや姫には聞こえはせぬのだ。姫はわしと違って真の人間だった……」 「えっ、何と、今何と申されましたか」 「あこや姫よ、今こそ、わしの由緒を明かそう。隠せるものならいつまでも隠し通そうと思っていたわしの本当の姿……、あこや姫よ、今まで名乗っていた名取の左衛門太郎とは仮の名、わしはこの世のもの、という より真の人ではないのだ。 わしは出羽の国の最上の浦の平清水の山に生えている松の精なのだ。わしは今まで五百年もの間、生き延びてきた。わしは、そなたを待っていたのだ。だがそなたと知り合うてほんの束の間、わしは自分の運命を知ったのだ。仮ににも人間であったわしにとって自分の運命を予知できるとは悲しいことだ。運命などは予知すべきものではないことなのにのう……。 あこや姫よ、はっきり言おう、わしの命は今夜限り、明日、わしは名取川の橋のかけ換えのため伐りとられてしまうのだ」
あこや姫はその左衛門太郎の言葉の意を解しかねる様に、左衛門太郎の顔を見入った。左衛門太郎の顔は青白く月に輝き、懺悔の後の罪人の様なある安堵と不安の交錯したような色を呈していた。
「左衛門太郎様、何と、何とおっしゃいました。姫には……姫には……」 「あこや姫よ、わしはそなたと同じ人間ではないのだ。松の精なのだ……」 「それが、それがどうしたのです。姫にはそんなことは、たいしたことではごさいませぬ。姫にとって恐しいことは、あなた様との別れでございます」 「姫よ、わしとてつらいのだ。だがこれも抗いきれない運命、あきらめるより他はなかろう」 「いやでございます。姫はいつまでもあなた様の傍にいとうございます。どうか、姫もつれていって下され、左衛門太郎様、お願いします。姫をいとしゅう思うて下さるなら、姫を決して離さないで下され……」 「あこや姫よ、出来ることならわしとてそうしたい。だが、どうしても出来ないことなのだ。わかってくれ!」 「いやでございます。姫は、姫は……」
あこや姫は左衛門太郎の胸の中で、激しく泣き続けた。あたかも泣くという行為のみが左衛門太郎を引き止める唯一のてだてでもあるかのように……。
左衛門太郎はそんなあこや姫を優しく抱くとじっと目を閉じていた。その内にあこや姫が、その瞳からあふれでた涙で頬をぬらしながら左衛門太郎の胸の中で動かなくなった。彼はそんなあこや姫の顔をいつまでも見ていたが、やがて決心した様に身を起すと、そっとあこや姫を離した。そして姫の 傍 に立ち、静かに笛を吹き始めた。しみ入る様な哀しいまでの笛の音はあこや姫と共に過した思い出の庭をゆっくりはいまわり、月の空にとけ込んでいった。
やがて曲が終り、左衡門太郎はその笛をあこや姫の半ば開いた手ににぎらせると、しょう然とその場を去っていった。しばらく行って振り返った左衛門太郎の瞳から頬に伝わった月に光る二筋の道を、あこや姫ぱ知るよしもなかった。
その頃、みちのくを襲った嵐は、名取川に大増水をもたらし、名取川の橋が流されてしまった。その橋は村人達にとって命にも代えがたい重要なものだった。彼等はその橋を渡って山に入り木々を集め、その橋を越えて田や畑へ出て働いていた。この様な生活的な深い意味あいと信仰的なまでの敬虔さを名取川とその橋に抱いていた村人達は壊された自分の家をそのままに、無残なまでに流され、跡かたなくなったその橋の跡に集まってきた。
しばらくはなす術もなく茫然と立ちすくんでいたが、村長のなだめと指揮によって、橋のかけ換え工事が進められることになった。
だが、近くの山中をさがしても適当な用木がなく、それでもやっと見つけた用木で橋をかけようとすると、何故か、なおも増水のままの名取川の流れに流されてしまったり、それが折れてしまったりして使えないものになってしまうのだった。
そんな努力が数日間続いた。村人達は次第に何ものかの強い力を怒じ恐れおののき始めた。名取川には何か橋を寄せつけぬものがあるのだ、ロ々に言い合いながら村長の顔を見つめた。村長はそんな声の中できっと口を結んで何かを考え込む様であったが 、その内に、その顔に希望の色が浮んだのを村人達は読み取った。 「これをいかにすぺさか占者に占おせよう」
村人達の間に同意のざわめきが起った。村長は自ら三人の供をつれると村はずれの、嵐に壊されずに済んだ数少ない住居の一つである古ぼけた占者の家を訪れた。
しばらくの後、村長達は飛び出す様にその家から出てきた。彼等の胸の中に、今しがた聞いたばかりのしわがれた占者の言葉が大きな期待を待って残っていた。
「名取川の橋は、たとえ金や銀を持っても保たぬだろう。橋を末長く保たせるには、出羽の国、最上の浦の平清水の山に生えている老松を伐って用いることだ……」
早速、大勢のきこりが集 められると、山を越えた最上の里に向かって出発した。夜通し歩き続けた一行が出羽の国、最上の浦の目的地に到着したのは陽が大分上った頃だった。遠くからも一目で分る大きな老松の傍に、ほっとして集まったきこり達は、休みもそこそこに持参した食事を始めた。
やがて最初の斧が松の根本に打ち込まれた。「コーン……」大勢のきこり達は、哀れを含んだ様な澄んだ美しいその音を、今だかつて聞いたことがなかった。
仕事は一向にはかどらなかったが、それでも陽が遠くの山派を赤くふち取りながら沈みかかる頃、辺りの山林に老松の終焉を告げるかの様な大音響を発して地に伏した。
倒された老松のまわりに集まったきこり達はそれになわをかけ、動かそうとした。しかしきこり達の大勢が力を集めてもその老松はびくともしなかった。一寸さえも動こうとしない老松相手の運搬作業は、いろいろ手をかえ、用具をかえて夜通し続けられたが、それでもその老いた松の木は相変ず、元の位置に横たわったままだった。
陽が登った。疲れ果てたきこり達は老松の傍にてんでに横になると、たわいもなく眠り始めた。そんな彼等は同じ夢を見たのだった。それは笛を持って寂し気に立ずむ一人の若者の姿であった。
やがて、村長にゆり起されたきこり達は、その不思議な夢のことを語り合いながら、横たおったままの老松に見入った。朝露に濡れたその幹の水滴を、あるきこりは彼等に全身で抵抗するあまりに生じた汗だと思い、あるきこりは嘆き悲しんだための涙だと思った。
そしてそんな表現が適切すぎる様に、老松は、幹の露を木々からもれ込む朝の陽の光を冷たく、また湯気を立てるまでに熱く反射させていた。それは静かな姿であった。
村長は再び占いをたててもらおうと、平清水の占者の家を訪れた。占者の家に入り早速、占いをたててもらった。熱心に祈りを上げる占者の後で、村長は頭をたれながら意外に若い神の声を聞いた。それは松の精が占者にのり移った声らしかった。 「そなた等が大勢で助かそうと試みても、びくともしない理由は、わしが他の人間の手にかかってこの地を去りたくないからだ。わしが喜んでここから動く時、それは信夫の館に住むあこや姫の手にかかる時だけだ…」
村長はそれを聞くと早々にその占者の家を出て 、きこり達に知らせた。そして、早速信夫の館まで使いを立てた。
あこや矩は左衛門太郎が去ってから、彼が残していった笛を胸に抱いて昼も夜も泣き統けた。姫は泣くという行為の中でのみ左衛門太郎を感じられたのだ。しかし、あこや姫には信じられなかった。左衛門太郎が松の精だという事も、そして別れだと言った事も。夜になると、ひよっこり左衛門太郎かあの優しい微笑みを浮ぺながら現われるだろうことを期待し統けた。
しかし、その期待は空しく破られた。そんな悲しみの中ですごす姫のもとに平清水よりの使者がとどいた。とっさに左衛門太郎の言葉を思い出すと矢も楯もたまらぬ様にその舘を後にした。
平清水に着いたあこや姫は、林の中に横たわる老松を見たと思つた瞬問、姫の目には老松は消え、その代り一人の芳者か静かに横たおっていた。それはあこや姫が深く愛し、今なお忘れ得ない左衛門太郎その人だった。 「左門衛太郎さま!」
駆け寄ったあこや姫は、その若者の胸に顔をうずめたが、その胸からはかつての鼓動を聞くことが出来なかった。
姫はふと顔を上げいぷかし気に左衛門太郎の顔に見入った。青白いまでのその顔に、その時陽の光があたった。彼は心なしか微笑んだようだった。 再び左衛門太郎の胸に顔をうずめたあこや姫は、ようやく左衛門太郎の死を信じることができた。
そして、そんな彼が、時間の経過と共に、あこや姫の身体と心に侵透して来るのを感じた。姫はふと、左衛門太郎の死があたかも姫があれ程までに望んだ愛する者が一つになりたいという望みの具現化の様に思えてくるのであった。姫は心の中に棲み始めた左衛門太郎に静かに、そして、満足気に語りかけた。 「とうとう、姫達は一人になれましたね」 「そうだ、姫よ、ようやくわし等は、ばらばらなニ人ではなくなったのだ」
しかし、ニ人が望んだものが、この様な一方の現実からの消滅でしか達成できないとは、生きているものにとってあまりにも皮肉なことではなかろうか。 「左衛門太郎様、姫は前にも増して幸せでございます」 「わしとて……。しかし、わしは……」
やがてあこや姫の目の前の左衛門太郎の姿は消えた。そしてもう単に老いた松の木でしかない ものが横たわっていた。あこや姫は立ち 上ると清々しい声ででいった。 「さあ、行きましよう!名取川の橋となって、末永く人の為になるよう……」 姫が松の木に手をかけると、それはまるで水に浮いた木の様に軽々と動き出した。
やがてその老松は立派な名取川の橋となり、幾多の嵐にも耐え、幾世の人達にその恩恵を与えた。
あこや姫は、その後、実は松の精だった左衛門太郎が住んでいた平清水を訪れた。そして、もう去ることのない人と静かに幸せに満ちた会話を続けるために、かつてその老松の生えていた地にささやかな庵を建てて移り住んだ。更に、伐りとられた老松の後に、若松を植え育てた。
若松は次第に成長して、いつしか山をおおう様になっていた。その松の緑は、千歳の秋にも、寒い北国の冬にも変ろうとはしなかった。人々はその山を千歳山と名づけ、あこや姫が建てた庵を万松寺と号した。 月の明るい夜、その万松寺のあたりから、美しい琴の音と笛の音が今でも聞えてくるということである。 ー 完 ー |