民主党がやった直接支払い制度による再生産保障も悪くはないんだけど、なんで日本の農産物生産価格が高いのかを考えたら、その根本を改めていくのも重要だと思うんだよね。
たとえば、日本製のトラクターを日本で買うよりも、輸出されたものを逆輸入した方が安くなることがよくあるのです。おかしいでしょ。外国往復する送料とか考えたら、何で安くなるの?って普通に疑問でしょ。
たとえば、まったく同じ成分で同じ濃度の殺虫剤が、園芸用つまり農薬として売られている価格と畜産用つまり動物用医薬品として売られている価格がすごく違うのです。これは、理由はわかってるんですけどね。農薬として売るにはいろいろな試験をした結果をつけて登録申請することが必要ですし、動物用医薬品として売るには動物用医薬品としての試験データをつけた登録申請が必要です。園芸での需要量よりも動物用の需要の方がはるかに少ない。登録申請のための試験や登録料は製品価格に上乗せされますから、売れる数が少ないものは当然この上乗せが多いわけで、高くなるのです。だからと言って、園芸用つまり農薬を畜産で使うとこれは違反なわけですよ。
世の中のしくみって、むずかしいですねえ。販売価格の保障と、経費の削減とどちらにお金を使った方がより農家の所得が上がるのか?むずかしいけど、がんばった農家が得をするのは、生産費の削減の方ですよね。がんばった農家は品質のよいものを生産するわけですから、当然高く売れますからねえ。
国際競争力をつけるためにブランド化を推進してるけど、生産費を下げる方が本当の国際競争力じゃないのかな?消費者もブランド品として国産品が高くなるより、お手ごろ価格の国産品が買える方がいいでしょ? |