孤老の仕事部屋

家族と離れ、東京の森林と都会の交差点、福が生まれるまちの仕事部屋からの発信です。コミュニケーションのためのコピーを思いつくまま、あるいは、いままでの仕事をご紹介しましょう。
 
2011/05/13 11:39:02|福生な人たち
28 福生ボランティア連絡協議会 U
東日本大震災特集 
福生市民がボランティアで貢献できること

カレンダーが希望をつなぐ支援物資に

 被災地の生活に必要な物資のひとつに「カレンダー」がありました。
 一瞬のうちに、かけがえのない生命や財産を奪われ、茫然自失の状態から気を取り直して「生きよう」と決意したとき、必要なもののひとつが「カレンダー」でした。先々の予定の希望まで失ってしまっていた罹災者たちに、直に接してこそ知った『生の声』です。

 被災地は遙かに遠い福生市民のボランティアは何ができるか。福生ボランティア連絡協議会(ボラ協)の秋山美左江会長、岡本幸子さん、秋山浩子さんに伺いました。

 復興支援は、頭で思いつく「欲しいもの」よりも、現地の生活で「要るもの」に、すぐに応えることでしょう。そのためには、災害の実際を詳しく観て、感じて、罹災者の生の声を聴くこと。ボラ協のメンバー、ブルーシート・角田四郎さんたち4名は、3月23日、岩手県岩泉、田野畑地域で活動している、阪神淡路大震災からのボランティア仲間と、現地合流するために福生を出発。大震災直後の、ライフラインがずたずたで、たどり着くルートが不明な長い道程への挑戦でした。

 出発前に、新潟中越地震などで罹災者支援活動経験のある福生ボラ協メンバーと、思いつくままに必要物資と、当座の活動資金を準備しました。物資ではどんなものが必要かについては、過去の支援活動の体験などから想定できます。問題は資金面での支援です。

 現地では、1ヶ月後の10万円より、今日の千円が役立つはずです。それをどのように調達するか。民間ボランティア団体であるボラ協は、資金面での支援には心許ないものがあります。しかし、すぐにも10円でも、100円でも多く届けたい。

 ボラ協には、行政などからの活動助成給付金があります。それをそっくり使わずに、余剰金を蓄えてきた資金がありました。これを「こんな時に使わなくてどうする」と決議し、活用することにしました。メンバーからの寄金を合わせて、とりあえずの活動資金として現地に届けようと、ブルーシートに託しました。

福生ボランティア、再び、被災地に

 3月28日、現地での綿密な調査の後、ブルーシートのメンバーは、一旦、福生に戻り、ボラ協メンバーとその後の活動を打ち合わせ、調整。現地の状況に合わせて、必要な物資、下着、くつ下、タオル、雑布等々を調達しました。生きて、これからの生活に最小限必要な物資です。被災地の現地で、いま必要なものです。

 この中に生きる希望を象徴するような「カレンダー」がありました。メンバーに呼びかけると、たちまちたくさん集まりました。自宅にあっては、3月過ぎのいまでは、古紙でしかなくなった新しいままのもの。いま、使いかけのものもあります。

 寄金も多く集まりました。既に、公な募金や街の募金に応じた人でも、ボラ協のメンバーを通しての募金は格別のようです。日頃、ボランティアとしての活動はできなくても、ボラ協の活動を身近に見聞きしている親近感や信頼感のせいでしょうか。必要とする人たちに、すぐにも、確実に届き、役立つことが見え、贈り主の心や元気な善意が伝わる生きた基金として、激励の手紙と共に寄せられました。

 3月31日、ブルーシートのメンバーは、福生市民の「元気でがんばれ心」を2台の車両に積み込んで、再び出発しました。今回は一ヶ月間ほどの滞在予定です。活動拠点を岩手県岩泉町に置き、田野畑地域やその周辺に出向いて、東京福生の旗印のもと、復興支援のボランティア活動を続けています。

 彼ら第一線で活動するメンバーは、ボラ協や支えてくれた福生市民と一体の協働者です。東日本の被災地復興のボランティア活動を共に実践しています。この活動はこれから先も続きます。現地に赴かなくてもできるボランティア活動です。市民の皆さんの一層のご理解とご協力をお願いします。

市民として被災者の市内受け入れに協力

 一方、福生市も3月19日から、福島県の被災者を30名受け入れることになりまりました。ボラ協では、大震災が起こってから、9日間もさまよって、やっとの思いで福生に避難してきた方々を暖かくお迎えしようと、当局や社協全面協力。その一環として、野菜たっぷりの夕食づくりのお手伝いをしました。

 米や調味料等を大勢の市民の皆さんから提供してもらい、3月21日から31日までの11日間、一緒に料理を作ったり、後片付けをしたりしました。最初の頃は、お互いに戸惑いながらも、次第に笑顔で会話ができるようになりました。

 いま、皆さんは、市営住宅や民間アパートで、それぞれ暮らし始めました。そんな新生活に際して、食器類から電気製品に至るまで大勢の市民の皆さんにご協力をいただきました。

「私たちは、今後も被災地への支援と、福生に住んでいらっしやる被災者の皆さんに、少しでも頑張っていただけるようにボランティア活動を引き続き行います。被災地で今ある命に感謝しながら、一生懸命に生きようと頑張っている多くの皆さんに、エールを送り続けたいと強く思っています。福生市民がボランティアで貢献できることとして、被災地の皆さんに、喜んでいただけるご支援を、市民を挙げてお届けしたい。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします」と話すボラ協のメンバーです。いま、あなたにもできることがあります。           







2011/03/10 15:59:26|福生な人たち
27 福生ボランティア連絡協議会
広がれボランティア
輝く瞳に出会った小学校の車椅子体験指導

ボランティアがつなぐ福生体験

「近くのまちに住む孫娘に、小学校での車椅子の指導を電話で話したのね。そしたら『おばあちゃん、すごぉ〜い!』って。嬉しくなって、よく聞いたら、私のことじゃなく、福生の小学校はすごいってことなの。彼女の通う小学校では車椅子体験はやっていないんですって。そうか、私たちはそんなすてきな体験をさせてもらっているんだと。自分が褒められることより嬉しくなっちゃってね」

 福生市内の多くの小学校では、高学年の総合学習の一環として、車椅子体験学習を取り入れています。車椅子の扱い方を学んで、障がい者や高齢者などの介護や介助に役立ててもらおうとするもの。この実習指導を、小学校からの依頼をふっさボランティア・市民活動センター(FVAC)が受け、福生ボランティア連絡協議会(ボラ協)に委嘱して行っています。

 それぞれの小学校とスケジュールなどを打ち合わせ、車椅子と模擬坂道などの体験用具を持ち込み、ボラ協のメンバーが指導します。このたび、新しいメンバーが加わり、市内各校での指導が行われました。

 ボラ協による市内小学校での車椅子体験学習は、始めてから十数年にもなります。車椅子の正しい扱い方の指導なら、先生や車椅子メーカー関係者、医療現場の看護師さんでもよい。ただ、子どもたちと一緒にこのまちに住むおばさん、おじさんからの指導だからこそ意味があるのではとボラ協の皆さんは話します。

「私たちが伝えたいのは、実際に乗ってみて、介助してみる。車椅子の安全で正しい扱い方だけではありません。伝えたいのは、ひとを思いやるやさしい心配り、命の尊さ、あいさつの仕方や声のかけ方、周りの人たちとの関わり方です。それはマナーであり、社会のルール、人としての生き方、人としての基本的に必要なことです。教壇の上から講義するのではなくて、顔を見て、名前を呼んで、一緒に行動して伝え、確認しあう。このまちをますます元気にしたいと願う隣りのおばちゃんたちだからこその活動なんです」

 このために、独自に鉄製スロープなども作りました。効果的な指導のために、ぬかる道に模すための学校のマットを使ったりします。ボランティアの新しいメンバーには、講習会を実施し、慣れるまでは先輩と一緒に指導します。終わったら子どもたちに屋外でも使った車椅子を拭き清めてもらうのも訓練の一部です。

ボラさんたちの感想いろいろ

●時間ができたので、何かお役に立つことをしたいと。それならとお誘いいただきました。

●運動会などで、外からしか見られない学校を、内側から見られるんです。普通なら体験できないことです。

●孫に接することだけでなく、たくさんの子どもたちの笑顔に会えて充実したひとときをすごしています。

●嬉しいのは、ボランティアの仲間ができたことです。さっぱりしたおつき合いがいいですね。


●最初ちょっと不安だったのですが、やってみたら私にもできました。長続きしそうです。


●息ぬきの時間になっています。健康法であり若返り法でもあります。いろんなことにがんばれる元気がわいてきます。

●ボランティアは『してあげる』のではなく、『やらせていただいている』んです。


●やってみて、これは重要な活動なんだと実感しています。十年以上も続けてこられた先輩方のご苦労に頭が下がる思いです。

●子どもたちも寒空の下、汗をかいて真剣に取り組んでいました。キラキラした目の輝きは何よりの私の宝ものです。

●知り合った子どもと、まちであったとき声をかけてくれました。嬉しかった。地域での子育てに繋がっているんですね。

●もっと講習会をやってほしい。ボランティアに入る人も多くなるのではないでしょうか。

●今の子どもたちはどう思っているか、子どもたちの心をどうつかむか、を知るいい機会です。

●楽しい思いをさせていただいています。ボランティアの活動を、よく知りませんでしたがこれからもやり続けたいですね。

●先生方のご苦労を少しでもやわらげられたらと、はじめた活動です。ただ、先生などに、まだ理解されていないこともあります。

●胸に名前を大きく表示をとお願いしました。こちらも名前を表示しています。名前を呼んであげると素直に、熱心に反応してくれます。

●こんな実習の様子をご家族の話題にしてもらいたいですね。話し合ってもらうと親ごさんの理解も得られると思います。

●まだ、車椅子訓練を導入していない小学校もあります。学校が本気になったら、こちらも本気になりますね。

●子どもたちは、興味深く、面白いことに大きな興味を持っています。一人ひとりが人格をもった人間であると思ってやっています。

●保護者や校長先生にも見てほしいですね。子どもたちからのお礼の手紙も嬉しいのですが、先生の感想も聞かせてほしいですね。

 FVACやボラ協では、車椅子体験指導のボランティアさんを募集しています。体験して、あなたならどんな感想を持たれるでしょうか。







2011/01/28 14:49:19|福生な人たち
26 収集物整理ボランティア
広がれボランティア
ボランティア活動入門編。
「思い」は立派な活動資源です

気軽にボランティア活動を始めましょう

 ボランティア活動とは、社会福祉等のための無償の奉仕活動。地域や住人全員を元気にする活動です。国が定める特定法人として、営利を目的としない、剰余金を分配しない組織、NPO(Non Profit Organization)があります。今号でとり上げるボランティア活動は、個人として参加協力して活動するもの。グループに加わったり、あるいは個人で、可処分の自由裁量時間を使って、元気づくりのお手伝いをする活動です。

 ボランティア活動は福生市社協関連でもたくさんあります。先の12月5日、過去三十三年間成果を上げ、年末恒例になっている第33回福祉バザーのように、物品の募集、寄付受付、運送保管、点検清掃、仕分け、値付け、陳列、販売の他、全体管理、運営など、時間をかけて、大勢の人たちの参加協力で実施しているボランティア活動から、個人の参加で、わずかな時間で実践できるボランティアまで様々です。

 それぞれのボランティア活動には、それぞれのやり方があり、それなりに培われたルールやノウハウによって行われます。もちろん、無償奉仕の任意の活動だからといって、自分勝手にやりたい活動を選んだり、好きな時間だけ活動してよいものでもありません。どんな活動でも円滑に、効率よく進めるための「きまり」があります。ただ、人によっては、活動に必要な時間が取れなかったり、苦手な活動だったりすることもあるでしょう。思い入れや意気込みなどにも個人差があります。

収集物整理ボランティアは気軽にできる

 専門の経験や知識が少なくても、個人で参加できるボランティア活動があります。グループとして展開するのではなく、個人のボランティアとして、参加協力する活動。その一つが、ベルマークなどの市民の善意からの寄付品を収納整理するボランティアです。

 家庭や職場などで、廃棄物として棄てていたものの中には、一つ一つの価値は小さくても、数を集めれば大きな価値が生まれるものがあります。ふっさボランティア・市民活動センターでは、昭和56年からそれらの寄付収集物を整理して、専門業者等を通して換金したり、物品との交換をして、社会福祉活動に役立て、また、福祉施設等に寄贈してきました。

 ただ、現在、寄付収集物の内容が変わっています。近年、商業システムの変化などで、スタンプクーポンから専用スタンプカード等に変わったり、テレホンカードの利用が少なくなったりしています。そのために、かつて収集対象としていた商店発行の各種スタンプクーポンやプリペイドカードなどの収集を中止しました。

 もちろん、この収集物を整理してまとめる作業は、個人が気軽に取り組めるボランティア活動として継続して続けています。活動している三浦やす子さん、柚下倶子さんにお話を伺いました。

「いまのところメンバーは少ないのですが、個人参加のボランティアなので、気軽に作業を楽しんでいます。特別な経験や技術も資格も要らないし、人前に出ることもありません。何かボランティア活動をと考えている方には、入門編として最適ですね。ここの福祉センターに来ると社協の職員さんや他のボランティアさんと顔見知りになり、親しくなったり、いろいろなお話ができます」
「このまちにどんなボランティア活動があるのかも分かりますし、自分にあったものを見つけられますよ。地味な活動ですが、何かしらお役に立っていると思うとやりがいを感じ。嬉しくも、誇りにも思います」

 活動日は、月一回、第一土曜日の午後一時半から四時まで。福祉センター地下の相談室が活動場所です。初めての方でも、当日、直接、来られても、また1階のふっさボランティア・市民活動センターの窓口を通しても参加いただけます。

寄付するのも家族でできるボランティア

 詳しくは、ふっさボランティア・市民活動センターにお問い合わせください。(

〈受付収集物〉

@ベルマーク
集まったベルマークを整理分別後、「青梅学園」へ寄贈し、学校の機材や教材に交換されます。
 「青梅学園」は知的障害者福祉法により、障がいを持つ利用者の思いや願いが少しでも実現するように、また、地域移行が可能になるよう個別支援計画に従って支援を行なっている施設です。
 
A使用済み切手
 集まった使用済み切手を整理後、盲養護老人ホーム「聖明園曙荘」へ寄贈します。使用済み切手は、キログラム単位で換金され、それによって施設整備などの資金に活用されています。
 「聖明園曙荘」は65歳以上の視覚障がいをお持らの方で、身のまわりのことはご自分でできる、介護を必要としない方に利用いただく養護老人ホームです。


B使用済みPCインクカートリッジ
Cペットボトルキャップ
 ふっさボランティア・市民活動センターから買取業者へまとめて送付すると重量で換金されます。センターの貸出用品などの購入や維持費用等に活用します。


※使用済みプリペイドカードは、現在、換金をしてくれる業者がほとんどないため、どの団体もプリペイペカードの収集を終了しつつあります。大手の国際協力団体NGOジョイゼフも平成23年3月31日で収集終了となるためセンターも使用済みプリペイドカードの収集を終了予定です。







2010/11/10 10:39:52|福生な人たち
25 二中おやじの会
広がれボランティア
イベントで繋がって子育て支援のまちおこし

福生第二中学校おやじの会

 この8月28日、「福生二中おやじの会(金子康二会長)」が発足、活動を開始しました。福生二中の生徒たちを中心にした青少年たちを、地域力で支えるボランティア組織です。6年前から積極的に活動している「福生一中おやじの会」に次いで、福生市二番目の会です。

 ニ中おやじの会では、地域の人と人との交流を第一義に考えています。二中の生徒たちとの交流や、学校との交流、PTAや地域行事への参加を無理なく、いつまでも続けていく。そして、地域の親父たちの新たな居場所となることを目指しています。発足呼びかけ人の一人で、副会長の田村正秋さんに活動内容などを伺いました。

 会は、先輩格の一中おやじの会と緊密に連携して、その運営ノウハウを受け継ぎ、指導を受けながら、基本的に同様の活動を展開します。発足最初の活動は、ニ中の校長先生も参加した、かに坂公園で開催された音楽祭の会場近辺のパトロール。これからも、地域で人の集まる場所のパトロールを進めていくとか。また、PTA二中の学区交流会として、現役職人の指導のもと、校舎内ペンキ塗りの協力や一中おやじの会との合同サッカー大会¸などを実施しました。

PTA母体の会から地域全体の会に

 PTAで培ったノウハウは、現場から離れてしまうと忘れられてしまう。後に続く人たちは、また、新しく作らなければなりません。子どもが卒業した後、それまでPTAに関わった人を含めて何かできないかと。

「子どもたちの健全育成は、地域の元気な街づくりにあります。そのためには、母親たちだけではなく、日頃、なかなか学校に行く機会がない父親たちが力を合わせて、地域の親父として、地域ぐるみでサポートすることではないか。親父パワーのネットワークと活性化が、まちの元気づくりのキーポイントです」と。子どもたちを見まもり、ダイレクトに働きかけてコミュニケーションを図るだけではなく、彼らや彼女らをとりまく親父たちが連携すること。そのためにも、まず、二中おやじの会という「コア」をつくることだと。
 
 しかし、日中、仕事で忙しい父親たちは、自分の子どものためになるとは分かっていても、なかなか時間がとれないし、どこから手をつけてよいのかを分からない。PTAは母親たち中心の活動になり、役員は母親が多く、父親は学校にかかわりたいと思ってもひるんでしまう。そのために割ける時間も少なく、表だっての行動に結びつきにくい。

 一方、同じ地域に住む新住民の父親同士は、顔は見知ってはいても、深く話したことがないし、交流もない。そんな父親たちを、街に引っ張り出し、親父の輪に巻き込むことがポイントではないか。父親同士が交流することで、地域に関心が向くし、その場が、親父たちの心地よい居場所にもなるのではないか。とにかく、地域の親父たちを、いろいろな手を使ってでも集めようと。

 子育て支援という活動の前に、まず、集まり、手を携えること。親父たちに、そこに行けば楽しい、一緒に行動すれは心地よく、愉快だと思ってもらえる場としようというスタンスです。会を親父たちの「趣味」や「道楽」のたまり場にしたら参加しやすいのではないか。集まった親父たちそれぞれが、いろいろな体験で得た知識や知恵、技術が集まる。これを子育て支援に活用したら、深くてより有効な力になるはずだという思いです。

利き酒会のイベントに協力

 最近、いろいろなイベントにたくさんの人々が集まるようになってきた、と田村さん。「親父さんたちは楽しさに飢えているのか、という気もします。人に集まってもらうには、市民主体のイベントが効果的で、スポーツだけでなく、文化面でもやっていきたい。そんなイベントづくりの中心になるのが、幅広い趣味とネットワークをも持った人。そんな人にはおやじの会として腕をふるってほしい」。

 田村さん自身も、スポーツから文化面と幅広いジャンルの趣味とネットワークをお持ちです。この10月、福生酒販組合主催の、市制40周年事業「福生元気を出せ利き酒会」のイベントを実施去れ、二中おやじの会の一部の人が参加しました。市の広報の告知で60人の定員が二日で埋まったとか。親父たちの強い関心を惹いた企画です。地元造り酒屋の協力、気象キャスター中村次郎さんの講演や酒販店主の日本酒の蘊蓄の他、親父バンドの演奏、福生のB級グルメを目指す「福生ドッグ」の試食会などもあり会場を盛り上げました。ここで知り合った人たちとの親交を深めて、おやじの会の輪を広めようという目論みです。

 二中おやじの会の会員は、いまのところ20名ほど。しかし、改まって会員として入会するのではなく、この会が中心になって展開するいろいろな活動やイベントに参加することで一時の会員となります。そして、つながって、まちの元気をつくっていくというのが狙いです。

 しゃちこばってボランティアに取り組むというのではなく、気のあった仲間と楽しんでいるうちに、それがボランティア活動になっていく。ボランティアといっても、何をやっていいのか分からない父親たちに、楽しいことから参加してもらう。まず、楽しんでもらうことがおやじの会の真骨頂のようです。つまり、誰でもがおやじの会の会員なのです。







2010/09/19 15:34:01|福生な人たち
24 福生市保育団体連絡会/ぴよぴよランド
広がれボランティア
分け合えば、悲しみは小さく、喜びはさらに大きく

地域のお年寄りの知恵と経験とネットワークに守られて

ぴよぴよランド代表ド
福生市保育団体連絡会会長
岩崎百合子


新しい子育て公園「ぴよぴよランド」の誕生

 近くに住む幼なじみと同じ頃に出産し、近くの公園で、一緒の子育てが始まりました。だんだん同じような親子が集ままりました。2才頃から幼稚園に入るくらいまでの母子たちです。多いときには15組くらいらにもなったでしょうか。その公園には、いつも、誰かがいます。少し離れたところからも遊びに来ていました。

 その公園はどこで遊んでいても、目の届く広さです。子どもたちは夢中で遊び、母親たちは情報交換や、子育て苦労の励まし合いです。洗濯やお昼などで家に行く人たちもいますが、お弁当持参の親子もいます。やがて、子どもが大きくなると、一組減り、二組減ってと、誰も遊んでいない時間ができてきました。

 そんな頃に、悲しい情報が街中を走りました。子育てに悩んだ母親が、住んでいたマンションから、飛び降りして亡くなったという報道です。地域の人たちはもちろん、子育てをしている母親たちには、大きな衝撃でした。誰もが「どうして相談してくれなかったのか」「言ってくれれば…」と。でも、近くに住んでいても、見知らぬ人には、声もかけられず、相談もできません。

 このまちで生まれて育ち、子育てをしている私の周りには、たくさんのおじさんたちがいます。それなりのお年で、いまでも私に自分の子どものように接してくれる人たちです。「親になったら、自分の子にしか目が届かないんではしょうがないんだ。おれたちが手伝うから、悩んでいる母親の話し相手になって、何でも相談できる場所ををつくれ。地元で育ったお前なんたからひと肌ぬげよ」と。私も周りの人たちに育てられてきたし、今も育てられています。素直に、やれるならやってみようと子育て支援所を立ち上げることにしました。

 小地域活動で、おじさんたちが集まる場所と同じ日に、下の階に、そんな場所をつくろうと。「おれたちが散歩がてらに、掲示板に貼ってやるから、ポスターを作れ」に、「子育て支援」と大きく書いたものの、名前は決めていません。当時、幼稚園児だった娘が「ぴよぴよ」がいいよと。それに乗って、下に「ランド」をつけた名前を決めました。地域のためというより、自分たちのためでもありました。

地域のお年寄りの時間と体力と知恵を借りる

 マンション住まいではできないプール遊びを始めました。おじさんたちに相談したら、うちに孫が使ったのがあるからと、すぐ、3つほどのプールか集まり、朝早くから水を張って、用意してくれます。もちろん、子どもには大人気。やる方も楽しくできます。そのうちに、みんなで「お下がり交換会」を始めました。これも自分たちが必要だから始めたものです。

 「ぴよぴよランド」を始める前から、お祭りのときに、リヤカーに太鼓を載せた山車を作りました。ここでも地域のおじさん、おばさんたちの後押しと協力がありました。「おれたちは、はしゃぐ年じゃないんだけどよ、手伝ってやるよ」と。ぴよぴよの行事のひとつに引き継がれています。おじさんたちは、子どもたちと顔見知りになりました。どこで会っても「おはよう」「こんにちは」と気軽に声を交わすようになっています。「声をかけましょう」というかけ声ではなく、仲良くなれば、自然に声をかあえるものです。

 このような年配の人たちは、時間がありますが、まだまだ体力もあります。何よりも知恵があります。子育てにも協力していただかない手はありません。核家族が進む中、年配者は「地域という家族」の中の「甘えてもいい、おじいちゃん、おばあちゃんたち」なのです。

子育てのよろず相談ネットワーク

 市内には、いろいろな保育団体があります。ひとつの課題か生まれると、役所なりの担当者が、それぞれの団体に出向くなどして会議や勉強会を実施していました。とこても同じような内容を話し、討論するのではなく、一緒に一回やればいい。多くの団体が集まれば、いろいろな立場、状況からの意見も多くなり、討議内容や情報も深く、広くなります。

 近隣にはない、子育て支援ネットワーク「保育団体連絡会」を、民間主導で発足させました。いま27団体が加盟し、緊密に連携し、いろいろな知恵と情報を共有しています。ひとつの団体では抱えきれない課題をみんなで分けて持つようにしたもので、行政や社会福祉協議会とも横並びに横断的に組織。どの団体に声をかけても、子育てに関してどんな悩みや相談事でも、すぐ、適切に対応できます。

 取り組んだひとつが「発達障害」です。母親は、自分の子どもがそうだとは認めたくないし、隠したがります。隠せば隠すほど、子どものストレスが溜まり、パニック状態になって悪循環します。いろいろな子どもの保育を受け入れる側として、避けて通れない課題。知り合いの幼稚園の園長さんに対応をどうしているのかを聞いた時、より理解する勉強会を一緒にやりましょうと。

 いま、地域という言葉が仰々しくなっています。地域なんて言葉は、都合がいい人が作りあげたもので「地域って何よ」といえば、自分であったり、お隣のおじさんであったりします。子どもたちも含めて、住んでいる人たちが、ニコニコしていれば、地域は明るくなるのではないでしょうか。
      







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