も〜びっくりを通り越して唖然とした。なんと玄関でなく細い藪をかき分け夏でもないのにボロ簾が架かった裏の引き戸に案内された。靴を脱ぐのも憚る荒れ様と云うか汚れた板の間の部屋、床をぶち抜かぬように恐る恐る入るとそこにはホームレスの段ボールを2つに切ったと同じ大きさの木造のガン箱が2段に積んであった。どうやら寒いので潜り込んで寝るタイプに造ったようで彼が上、元大工のオヤジさんが下でお互い頭から突っ込んで寝る形だった。生前、仕事もしないそのオヤジに彼はよくなっ飛ばされ「誰が食わせてると思ってんだ!」て言われていた様で・・僕が「今は俺の稼ぎで食わしてんだから・・俺だよ〜」って言ってやんなょ!て言ったら・・彼が「そんなこと言ったらゲンノウで殴られる!」て脅えてたのを思い出す。話は飛んでしまったが、そのオヤジの寝床の頭のあたりに凹みが有りそこに金属製の菓子折箱が3段積んであった。どうやらそれが彼の言うところの金庫らしい、いかんせん重くて確かに取り出せない、しかたなしにホフク前進で頭の所まで這って行き腕だけで箱を持ち上げ箱状ベッドを後ずさりなんて出来ない!潜った足を彼に引っ張ってもらいやっとこ出した。何と中身は硬貨がぎっしり入っていた。それも3箱も!自転車の後ろに括り付けとりあえず銀行に行かせた。よろよろよろけながら彼は銀行に向かったが暫くして彼は怒った顔で戻ってきた?